著作権法の拡大問題 反対声明続々 なぜ危険なのか

事の発端

「漫画村」などの海賊版サイト対策として、今年2月14日、文化審議会著作権分科会にて、インターネット上で著作権を侵害して配信されているコンテンツのダウンロードを全面的に禁止する方針が決まった。

しかしこれには違法コンテンツのスクリーンショットや静止画のダウンロードも含まれ、大きな波紋を呼んだ。

その後安倍首相が項目削除を指示

「ネット利用や創作活動が萎縮する」との批判が出ている中で3月6日、超党派のMANGA議連会長との電話協議で、安倍首相が違法ダウンロードに関する項目の削除を指示した事が報道された。

反対声明続々

今回の違法ダウンロード適用拡大に対して、様々な団体から反対声明が出ている。

以下、かぎ括弧内要旨

・日本漫画家協会 1/23付

「丁寧で十分な議論を要望」

・弁護士や教師らによる共同声明 2/19付

「慎重な議論が必要」

・peace of cake 2/21付

「今回の報告書は著作権法の立法趣旨逸脱している」

・日本建築学会 3/11付

「文化庁案の広域的規制に強く反対」

効果に疑問 法の形骸化も

今回の報告書から問題となった項目が削除されて法案が作られる事は確実だと思われるが、仮にこのような法律が施行された場合を考えてみよう。

・まず、本当に違反者は罰せられるのだろうか?

もしそのまま法制度化した場合、適用者は膨大な数になるだろう。

Twitterを想定して考えてみると、アニメキャラクターのアイコンなどを使用している場合、画像検索などで見つけたものをそのまま利用していたりすると、知らず知らず違法なコンテンツを使ってしまい、法律上問題のある行為となる。

また、ツイートには画像を添付することができるが、それも場合によっては違法となり、そのTwitterのスクショを撮ることもアウトとなる。

Twitterにはツイートに添付された画像をダウンロードする機能が標準で実装されているが、違法行為に繋がりかねないとして削除される事も考えられる。

・一体どうやって違法であると判別するのか?

今や画像はスマホアプリなどで簡単に加工でき、SNSアプリも画像投稿の際に簡単な編集ができるものも多い。著作者侵害されたコンテンツのスクショでも、ちょっと編集すれば正規コンテンツのものと見分けがつかないだろう。

もし法律が施行された場合、どれほどの実効性があるのかは甚だ疑問だ。

そうなると法律が形骸化する恐れがある。

本当に海賊版対策として有効か?

去年、「漫画村」などの違法サイトが大きく取り沙汰され、政府も対策を講じようとした。

児童ポルノに適用されているものとして、「緊急回避」という名目での日本からのアクセスのブロッキング措置が挙げられるが、その「緊急回避」を漫画やアニメの海賊版サイトにも適用するという議論だ。

しかし、日本プロバイダー協会など諸団体が通信の自由への影響を危惧し、「極めて遺憾」との声明を発表するなど足並みは揃わなかった。
今回と前回では、海賊版対策として発信者を取り締まるか利用者を取り締まるかのコンセプトの違いがあるが、結構二の舞となりつつある。

誰のため?

海賊版を取り締まるのは紛れもなくクリエーターを守る為だ。

しかし、漫画家協会の反対声明など、肝心なクリエーターから一概に賛同を得ているとは言い難い。

それだけではなく、一般人の正常なインターネット利用を萎縮させかねないだろう。

インターネット上の海賊版対策は前途多難の様だ。