海賊版サイトブロッキング 議論再開か? 前回は各団体が猛反対

時事通信社によると今月26日、知的財産戦略本部の有識者会議が都内で開かれ、漫画やアニメの海賊版サイト対策へ向けた議論を再開した。

海賊版サイト対策については今年2月にブロッキングの方針が決まるも、JAIPA(日本インターネットプロバイダー協会)が「断じて許されないもの」と反対声明を出し、一部の漫画家からも反対の声が上がっていた為、対策法案の提出が見送られていた。

提案された海賊版対策と問題点

①アクセス警告方式

海賊版サイトへアクセスしようとすると違法コンテンツが含まれるという旨の警告が表示され、それでもアクセスするかは閲覧者に委ねられる方式。

問題点:技術的に難しい。

現在、通信内容の暗号化は一般的で、海賊版サイトへのアクセスを検知できない。

②リーチサイト規制

リーチサイト(リンクが貼られているなど海賊版へ誘導する目的のサイト)の規制。

問題点:表現の自由が不当に制限される可能性がある。

③違法ダウンロードの拡大

現行では主に動画が対象だが、適用範囲を静止画にまで拡大。スクリーンショットも対象になる可能性。

問題点:静止画やスクリーンショットはネット上やSNSなどで広く利用されており、ネット利用の萎縮に繋がる。

④海賊版サイトのブロッキング

日本国内から海賊版へのアクセスをできなくする。現在は「緊急回避」として児童ポルノのみブロッキングを適用。

問題点:検閲にあたる可能性。

大手サイトの閉鎖などにより「緊急回避」の要件を満たさない。また、一般に普及しているツールで回避が可能である。

反対意見も多数

提案された対策はどれも憲法で保証された国民の権利を侵害する恐れがあり、また、実効性に疑問があるものが多い。

特に③の著作権法の適用範囲拡大はネットユーザーに密接に関わる事項だ。

TwitterなどのSNSでは画像を使われる事が多く、画像の保存機能も備える。

利用者が気軽に画像保存・発信ができる反面、その画像が元々違法にアップロードされたものなのか、もはや判別がつかない。

加えて、クリエイターの中にはネット上に出回っている画像を使って絵の練習をしている方もおり、漫画家からも一連の法整備に反対の声が上がった。

果たしてこのような利用は悪影響を及ぼすものなのだろうか。海賊版対策の本筋なのか。

議論の行方はJAIPA次第?

この議論に欠かせないのは実際に対策を実施する事になるプロバイダー協会(JAIPA)だ。

JAIPAは前回の海賊版対策の中でブロッキングに強い反対声明を出し、議論の中でも大きな意味を持った。

(=JAIPA声明より。全文はこちら(PDF)

声明の中でも確認できるが、ブロッキング以外に取りうる手段の議論を十分尽くしていない状態ではJAIPAの同意を得られる可能性は低い。

その他諸団体からの反対意見も多数出ていた議論であり、慎重な議論が求められる。